あたりうく

あたりうく

緊張と緩和の融点をさぐっていた。これは物質の話だけではない。

【ataurique】を【あたり・うく】とよんだ瞬間、私の脳は溶け出した。

側から見たら知らぬ言語を勝手に解釈しただけのことだ。 例えば風が強い日に飛んできたビニールが猫に見えた時のような、少し笑っ てしまう話なのだが、その一瞬の読み間違えで私の中に情景が浮かび上がっ たのだ。 現象や言葉の全てに意味を見出して何かにカテゴライズしなければいけない と張り詰めていた気を一瞬にして溶かして広い世界を見せてくれた。

やきものとのやりとりの中にもそういった時がある。 できない、してはいけないという思い込みを偶発的に破いた時に見えてくる 融点。その点を手がかりに形を見つけていく。素材と景色の間を行き来し、 身ぶり手ぶりで呼応していく。

*【 ataurique 】 ...[a.tau.rí.ke] イスラム建築における植物モチーフの浮き彫り 装飾のことを示す。

スペイン語由来らしいが辞書には載っていない。
英 ) Arabesque

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