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素材について

 

私の作品はやきものの作品です。

主材料として使用する素材はシャモットと呼ばれる砂です。

シャモットは耐火度の高い粘土を1300℃〜1400℃で加熱した後に砕いて砂状にされたものです。耐火煉瓦の原料として使われています。この砂に様々なものを調合し、形を作り上げ、陶芸窯の中に入れて焼成する技法を独自で編み出しました。

素材名は「ceramics(セラミックス)」と名付けました。「高温で焼成したもの」という意味です。

私は陶芸の「道具」としてシャモットに出会いました。陶芸作品は焼いている際に器の表面の釉薬(ガラス質)が溶けて流れてしまうことがあります。釉薬が流れて窯の中に作品がくっつくことを防ぐ為に作品と窯との間に緩衝材のように使用することがあります。使うたびにシャモットのざらっとした質感に心惹かれ、これを素材として作品が作れないかを考えました。

作品として昇華できるように調合を考え、制作する上でいかなる形も作れるように試験を繰り返しました。

最終形態は焼きあがるまで形は分からないように制作していきます。自分が完全にコントロールがきかない状況で作ることで、予期しないことが起こることがあるからです。それはまるで目隠しの中でドローイングをするように。こうすることで、より有機的で動きのある形ができあがることを期待しています。

​                                              原裕子

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